飲食の直後は、口腔内の細菌が糖分から酸を作り出して歯垢のpHが低下する。平常時は平均的にpH6.8だが、飲食によりpH4?6に急低下し、その後ゆっくり1時間くらいの間に回復する[22]。これにより歯の脱灰が進む臨界pHを超えると歯のエナメル質が脱灰され溶けはじめる。臨界pHは、一般にpH5.5以下であるといわれているが、歯の石灰化度によっても変化する。たとえば、歯の石灰化度が永久歯よりも低い乳歯では、これより高いpHでも脱灰が進む。ステファンカーブというグラフで知られているが、砂糖水でうがいをした2?3分後に、最もpH値が下がり酸性に傾く。これが唾液などの働きにより、アルカリ性のほうへpHが上昇していき、一定のpH以上となったときに逆に再石灰化するようになる。一般的には再石灰化まで数十分かかる。
糖類の中でも、砂糖の主成分であるショ糖が最もう蝕のリスクを高め、次にブドウ糖や果糖といった単糖類がう蝕を増加させるリスクが高い。 砂糖の濃度が0.025%のショ糖液15mlでも口腔内のpHを5.7にまで下げる。2.5?5%の濃度では、pHを4.2?4.5まで下げる。10%の濃度まで口腔内のpHを低下させていくが、10%以上の濃度では変化がない。
穀物に多いデンプンは、pH5.5?6.0程度にしか下げない。デンプンに砂糖が混ざった食品は、デンプンだけの場合よりう蝕のリスクが高い。また、代替甘味料には様々な種類があるが、キシリトールやアスパルテームなど臨界pHまで下げない糖類がある。
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堅いチーズは口腔内をアルカリ性に傾ける。
シュガーレスガムを噛むことによって、唾液の分泌を高めることが可能である。シュガーレスガムによって再石灰化の促進が観察されている。